遅れてステージ中央に飛び出した2人が、僕に向けて転調の合図を送る。MILKとGISMOだ。僕がドラムのインプロを"TOP BILLIN'"で締めようとしていることを知っているMILKは、ビートに乗せてこう叫んだ。
「WHAT MORE CAN I SAY?・・・GONE!!」
  その瞬間、僕は目を覚ました。右足に弾かれた空のマグカップが、まるで不恰好なブレイクダンスのように回るのを見ながら、腰を上げてもう一度窓際に立つ。太陽はちゃんと真上にあって、世間はとっくに昼時だ。空腹を満たす為に僕は部屋を出る。最近近くに出来た噂のトラットリアにでも行ってみよう。
(後編に続く)